札沼線の廃止廃線の可能性|新十津川北海道医療大学間
2016年3月から日本一終発の早い駅として注目された札沼線の
新十津川駅ですが、廃止・廃線の可能性が現実味を帯びてきました。
JR北海道はこの10月に沿線の自治体である新十津川町と浦臼町に、
路線廃止を前提としたバス転換を打診したことが明らかになりました。
新十津川町は札沼線内でも新十津川駅、下徳富駅、南下徳富駅があり、
浦臼町は於札内駅、鶴沼駅、札的駅、晩生内駅を抱えています。
以前から札沼線の北海道医療大学-新十津川間は路線の廃止が
囁かれてきましたが、その可能性はどうなのでしょうか?
札沼線の廃止廃線の可能性|新十津川北海道医療大学間
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まず札沼線には2つの顔があり、札幌-北海道医療大学間は
輸送密度1万人超のドル箱路線です。
沿線には北海道医療大学と北海道教育大学札幌校があり、
新興住宅地も広がっています。
そのため電化され、一部は複線化されており、電車の本数も多いことで
知られています。
ところが北海道医療大学から新十津川間は非電化の単線で、
列車の本数も上下合わせて15本しかありません。
さらに輸送密度も79人と2016年12月の廃止が決まっている留萌線の
留萌-増毛間を除けば、道内でも最低でもっとも利用者の少ない路線です。
しかも新十津川駅は函館線の滝川駅からわずか10分で、
浦臼駅も函館線の奈井江駅までバスで20分というロケーション。
そのため沿線住民も列車の本数の多い函館線をもっぱら利用しており、
以前は3往復あった新十津川駅発着の列車は2016年3月のダイヤ改正で
わずか1往復まで減少しました。
そのため前述のように新十津川駅午前9時40分発の便が終列車となり、
日本一終発の早い駅となったのです。
このような状況にある札沼線ですが、JR北海道としては北海道医療大学以北の
非電化路線を廃止したいのは山々のようです。
そのため周辺の自治体と調整を進めていますが、強硬に反対の姿勢を崩さないのが
月形町です。
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月形町にある石狩月形駅は、月形高校に通う生徒の約3割が利用する貴重な足。
そのため高校の維持には鉄路が不可欠で、廃止を容認できないとの立場を
とり続けています。
当別町や浦臼町は廃止に一定の理解を示していることから、
この月形町の強硬な姿勢はJR北海道も頭の痛いところ。
そのためにJR北海道は札沼線を段階的に廃止する方向で、
まずは浦臼町と新十津川町の路線や駅を廃止するために
バス転換への打診をおこなったと考えるのが自然でしょう。
「日本一早く最終列車が出る駅」として人気が出てきた新十津川駅については、
同町は観光資源としての活用も検討しているため、廃止には反対の姿勢のようです。
しかし一日わずか一便の発着ですし、函館線が並行していて廃止となっても
住民の足にさほど影響もありません。
また手前の浦臼町が廃止に理解を示していることも、新十津川町にとっては
痛いところ。
存続となった場合は駅や路線の維持費の肩代わりを求められることになりそうですし、
どこまで反対の姿勢を貫くことができるかも不透明です。
このように札沼線の北海道医療大学以北の路線は、まずは浦臼町の
晩生内‐新十津川間から廃止・廃線の着手がありそうです。
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